セルフメディケーション

1年間に使った医療費が10万円以上になると控除される【医療費控除制度】を知っている人は多いだろう。 では、ドラッグストアで購入した市販薬(ただし対象医薬品)で、1万2000円以上を超えると所得控除対象になるって 知っていた? 今年1月から施行した【セルフメディケーション税制】がそれで、知らないと損をする身近な制度だ。 スタートから5ヵ月が過ぎてしまったが、まだ遅くない! 【セルフメディケーション税制】を知って無理なく節税しよう。

健康診断など日頃からの健康管理が必要

【セルフメディケーション税制】とは、ドラッグストアなどで購入した、医療用から転用された医薬品『スイッチOTC医薬品』が1万2000円以上になった場合、確定申告をすることで所得税の一部が戻ったり、翌年の住民税が減税される制度。この税制の良いところは、対象となるスイッチOTC医薬品の年間購入金額は低額だが、自分だけでなく扶養家族の分を合わせてもOKということ。「それなら年間1万2000円以上購入してそう♪」と思った人、多いのでは? ところが、この制度を利用するには条件(図①参照)がある。

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所得税・住民税の納付はもちろん、日頃からしっかりと健康管理に気を配っていることが基本となる。  そもそも『セルフメディケーション』とは、世界保健機関(WHO)において「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義されているため、定期的に自分の身体をメンテナンスしている人に限られるというわけだ。   セルフメディケーション

では、対象となるスイッチOTC医薬品とは何か? 【セルフメディケーション税制】の識別マークが表示されている、かぜ薬・胃腸薬・胃炎用内服薬・水虫たむし用薬・肩こりや腰痛などの貼付薬など全81成分、1600品目以上(2017年2月14日現在)。徐々にパッケージにも印刷され始めており、店によっては陳列棚にわかりやすく表示している。

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少ない控除額でも所得税・住民税が減税

実際にどれだけ減税されるのか、例を出してわかりやすく説明しよう。課税所得400万円の山田太郎(仮名/35歳)が、対象医薬品を年間2万5000円購入した場合(生計を一緒にする配偶者・子どもなどの親族の分も含む)。1万2000円以上を超えた金額が控除対象になり、差額の1万3000円が課税所得額から控除される(グラフ②参照)。

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さらに、所得税や住民税も減税され、合わせて3900円が減税となる。たかが3900円と思っちゃいけない! 旭川・札幌間を高速バスで往復もできるし、ユニクロのジーンズを2本も買える♪ ただし、1万2000円以上を超えた金額が控除対象と言っても、いくらでもいいわけではなく、8万8000円と上限が決まっている。

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購入した市販薬のレシートは保管する

確定申告に必要になる定期健康診断の結果通知表や領収書、レシートを捨てずに保管すべし!  まず、特定健康診査・定期健康診断・健康診査などを健診したときは、領収書・結果通知表(コピー可)・証明依頼書のいずれか。予防接種は、領収書か予防接種済証のどちらかが必要となるため、病院や実施機関からもらおう。  そして、ドラッグストアや薬局などで市販薬を購入したときのレシートや領収書(あくまでも1月1日~12月31日までの1年間に受診や購入したもの)。対象医薬品だと知らずに購入したとしても、レシートには対象医薬品であることがハッキリわかるようになっている(サンプル参照)ため、その場合は捨てずに保管する。各店によって表示の仕方に違いはあるが、①商品名 ②金額 ③該当商品がセルフメディケーション税制対象商品である旨 ④販売店名 ⑤購入日 の5項目が必ず印字されている。対象医薬品だけの合計購入額で領収書をもらう場合は、但し書きにすべての対象医薬品名を記入する必要がある。もし万が一、この5項目のいずれかが印字されていない場合は、購入店に確認を。   セルフメディケーション

最低限それらの必要書類を普段から保存しておくことで、年末にセルフメディケーション税制での所得控除ができるかできないかを自分で判断することができ、「今年、結構医療費使ったんだけど、控除にならないのかなぁ~」なんて、得られる控除を得られないなんてことは防げる。ただし、このセルフメディケーション税制と従来の医療費控除を併用することはできないため(表④参照)、高額な医療費を支払った場合は注意を。

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